- 産学連携教育イノベーター育成プログラム(AIBET)
- 修了者インタビュー
「修了者フォーカスグループ・インタビュー2023」の実施報告
REPORT OF ALUMNI INTERVIEW 2023
2022年度に続き、2023年8月6日、2020~2021年度AIBET修了者が集まり、「修了者フォーカスグループ・インタビュー」を開催しました。
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修了者フォーカスグループ・インタビューは、実務家教員を目指す方、既に実務家教員として活躍されている方、企業職を続けつつ非常勤講師・特任教員として大学に関わられている方、修了後に実務家教員になられた方など、多様なプログラム修了生8名に全国からお集まりいただきました。
2023年度は、プログラムが提供する4つのコース(産学連携リベラルアーツ教育力育成コース、インストラクショナルデザイン指導力育成コース、アントレプレナーシップ教育力育成コース、リーダーシップ開発力育成コース)にわかれ、各コース2名の修了者に対し、1~2名のコース担当教員がインタビューを行いました。プログラムの自己評価として、プログラムの成果を振り返るとともに、今後に向けての改善の知見を得る機会として実施しました。本プログラムによってどういったものが得られたのか、成長のきっかけになったのか、本プログラム修了前後を見て、どのような変化があったのか。プログラムの有効性と更なる改善のため、5つのテーマ、①「価値観」の振り返り、②意識・行動の変容、③「教育イノベーター」の育成・実践、④就活等への影響、⑤研修プログラムへの期待、について伺いました。
I 「価値観」の振り返り
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山田 典子 / 横浜市立大学 教授
インストラクショナルデザイン指導力育成コース修了 (2021)どうやったら学習者の目的、目標を達成させられるか。与えられているものや既存のものを維持するような学びでは駄目で、自ら気づいて、見いだして、取り組んで、咀嚼していくということを学生たちと一緒にやるためには何が必要か。教育のことをこんなに真面目に考えたのはこれが初めてでした。
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田上 正範 / 追手門学院大学 准教授
産学連携リベラルアーツ教育力育成コース修了 (2020)実務家教員として大学で働いていましたが、3年、4年と経つうちに、本当に期待されているのかと迷いが起きました。このプログラムを受講者し、知識や考え方、特に高等教育の変遷や歴史の理解、なぜ実務家教員が必要とされているのか等を学び、整理していくと、迷っていることが実は正しい状態だとわかりました。決して自分の勘違いではなく、特に学術領域と実務領域の関係性は、実は数百年前からの悩みでもあり、僕一人で何かできる話ではないという迷いを再認識し、安心感に変わったことが大きな変化です。
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岩佐 彰則 / 高等教育機関非常勤講師
アントレプレナーシップ教育力育成コース修了 (2021)私がやりたかったのはインタラクティブな授業です。ビジネススクールでそれを自分が体験し、本プログラムで体系的に学び、それを今、実践しています。学生の理解度に合わせて授業を進行していくということが大学としてもまだまだできていないこと、また、実際に学生の反応を聞くと、教員側の実務知識が追い付いていないという事実を知ることができました。
II 意識・行動の変容
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匿名
アントレプレナーシップ教育力育成コース修了 (2022)今までは指示的な態度でしたが、こういう進め方でどうか、手順はこういう形でやるけどよいか、自分の進め方に対して何かおかしいことはないか、教えるときもまず他者の意見を聴くようにしています。プログラムの中で、トップ経営者は他者評価を聞きたがるとおっしゃっていたので、それを活かしています。
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山﨑 淳 / 人材マネジメント勤務
リーダーシップ開発力育成コース修了(2022)違う分野で専門性を発揮している方々と意図的に触れ合うというのはすごく大事だなと思いました。リーダーシップ論を専門に研究されている教員の方と一緒に話すことで、こういうことを言っているのか、身の回りで起きている現象というのはこうなんだということを理解したことが自分自身すごく楽しい機会でした。これによって自分の考え方をブラッシュアップすることにも繋がり、すぐ行動に転換できるようになりました。
III 「教育イノベーター」の育成
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増渕 賢一郎 / 高崎商科大学短大部
インストラクショナルデザイン指導力育成コース修了 (2021)大学は若い人が学ぶというだけではなく、社会に出てからも何度も戻って来る存在でなければなりません。戻って来るためには社会がやっていることより先に行かないといけない。しかし、そのためには社会人も教員たちに、今のビジネスについて共有することがないと、アカデミックも先にも行けない。それが健全に回るような仕組みを何か自分の所属している大学の中で、一つのケースでも何か事例をつくりたいなと考えています。しかしそのためには、インストラクショナルデザインを活用し、こういう効果があるということを私自身が立証しなければいけない。今、そのフェーズにいるという感じです。立証した後、では他もこの方法でやってみようという話を聞いてくれる人が増えるのかなと考えています。
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青木 隆 / 淑徳大学 教授
産学連携リベラルアーツ教育力育成コース修了 (2021)イノベーターとって必要な知識やスキルとして、やはりコミュニケーション能力が一番重要だと思います。また、私はこの4月に専任教員になったばかりなので、自分の大学の学生の状況をよく理解しなくてはいけません。その状況を理解した上で、まずは学生が到達すべき学修上の目的地を設定し、学生の現在地はどこかを、その時々に自覚し、自覚させつつ、確認しながら進んでいきたいと思います。
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高野宏輝 / 仙台青葉学院短期大学 教授
リーダーシップ開発力育成コース修了 (2021)イノベーターという言葉の定義は様々ですが、少なくとも改革、時代が変わっていくので、いろいろなことを変えていかなければならないということを強く意識しています。一改革者として、授業であれば組織の中で自分だけがやればいいということではなく、それをいかに皆に伝播させるということが大切です。それがリーダーシップなのかもしれませんが、影響力をどれだけ与えられるか。カリキュラムについては、時代が変わってくる中で、どう時代に合わせて変えていくかということなどを日々考えています。
IV 就活等への影響
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山﨑 淳 / リーダーシップ開発力育成コース修了
実務家と大学教員とを両立していこうと思っています。大学の方とお話しする際、このプログラム(AIBET)を受けましたという話をすると、最近の高等教育等での動向や考え方、インストラクショナルデザインを理解しているということで安心感があるようです。アピールポイントになるので、就職の際は書類に必ず書いたほうがよいと思います。
V 研修プログラムへの期待
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田上 正範 / 産学連携リベラルアーツ教育力育成コース修了
企業人は交流が大事だという価値を知っている人が多いが、オンラインのみでは正論を言うに留まり、コミュニティ形成までは難しい。やはり顔を合わせて互いを知る機会は重要。
青木 隆 / 産学連携リベラルアーツ教育力育成コース修了
プログラム修了後でもよいので、現代の学生についての理解がより深められる学習の機会があるとよいと思います。
本インタビューでは、コ―ス別に対面で実体験に落とし込まれた具体的なお話を伺うことができました。その内容は示唆に富んだものであり、プログラムとして取り入れながら運営していく考えです。お忙しい中、全国からお集まりいただきました修了者のみなさまに心から感謝いたします。
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産学連携教育イノベーター育成プログラム(AIBET)「修了者フォーカスグループ・インタビュー」は、文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」の一環として開催されました。
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